anemOneのブログ

ただの日常。自己満足。

目に見えないもの

 あの人気の本。星の王子さまで【心で見なくちゃ、ものごとはよく 見えないってことさ。かんじんなことは、目に見えないんだよ】という言葉がある。

 私のオーラの色はワインレッドをもっと黒っぽくした色だと言われた。想像が難しいので,多分貧血気味の時にとれる静脈血のようなあのどろっとした色なのだと勝手に思っている。
その子に「嫌いな色じゃない。寧ろ好きな方だ。」そう言うととても苦笑いをされた。
私にすっごく視線を送るのに,それにも気付かず,誰の事も気にせずに真顔で淡々と仕事をする姿を観察するのがとても面白く好きらしい。私は今いるメンバーでワースト2の色のオーラで,それは入職時から変わらないそうだ。その子にオーラが見えていても,それはきっと表面上のオーラなのだと思う。

かんじんなことは,目に見えない。

本当にそう思う。私はその子に「私のオーラがその色から変わらないのは,私が人生を結構悟ってしまったからだと思う」と本気で言うと,まるでホームで目の前を急行電車が通り過ぎるかのように,一瞬で笑いの声と化されてしまっていた。

 呼吸の仕方がわからなくなるくらいのドキドキを経験した。本当に素敵なことが起きた。まるで夢みたいで神様の悪戯に不覚にも世界が一瞬終わってしまったように感じた。
それでも揺れる心に懐かしさを感じる。
また,その日に限ってその日に起きるべき事ではないことが起き,私の心は結構な充実感と疑心と虚無感で満たされてしまった。この瞬間が一生続いてほしいとも思えた。
しかし,私は人生が1割程度しか私にとって希望になり得ないものとしている。そんなに素敵なことが起きても私の心はいつでも荒んでいる。そういう思いに包まれて生きるしかないのだ。
それでもその気持ちは次の日まで続き,わたしはるんるんな気分でまたその子に会った。会った瞬間から笑われてしまった。

『今日も変わらないね。』その言葉に私は勝った気がして不覚にも笑みを零した。

【私】は私にもそして,誰にもわからないのだと。
人間はそういうものだから神秘的なのだと思う。